細胞分裂には種類があり、それは体細胞分裂と減数分裂です。
体細胞分裂は分裂後も染色体の数が変わらず、減数分裂は染色体の数が最終的に半分になります。
染色体とはなんでしょうか?
染色体とは遺伝情報を担っている生体物質のことです。
染色体の名前の由来は、塩基性の色素によってよく染色されることによります。
体細胞分裂は普通の細胞の分裂のことで、減数分裂は人間にとっては精子と卵子の細胞分裂にみられます。
減数分裂は成熟分裂とも呼ばれます。
なぜかというと、精子・卵子の細胞分裂は細胞分裂を繰り返すことにより成熟していくからです。
精子の成熟過程はどのようなものでしょうか?
妊婦のおなかの中の子が男の子とすると、その子の精巣には『精粗細胞』があります。
その男の子が思春期を迎えると、その精粗細胞は体細胞分裂による増殖を始め、それと同時に精粗細胞は大きくなり精母細胞になります。
精母細胞は減数分裂をして精娘細胞なります。
分裂する訳ですから1つの精母細胞は2つの精娘細胞になるわけです。
染色体の数も半分になります。
精娘細胞は減数分裂をして精子細胞になります。
精子細胞が成熟すると精子になります。
卵子の成熟過程はどのようなものでしょうか?
妊婦のおなかの中の子が女の子とすると、20週ころは卵巣の中には500万個位の卵祖細胞が作られています。
しかし、その卵祖細胞は変性、吸収などにより数が減り始めます。
残った卵祖細胞は卵母細胞になります。
そして卵巣の中で原始卵胞をつくります。
その子が出生する頃には約500万個あった卵祖細胞は約100万個に減っています。
卵祖細胞は卵母細胞になるべく減数分裂を行うわけですが、それには精子のそれと比べて時間のギャップが長く、出生後から減数分裂を開始しますが、初経・排卵時まで減数分裂は休止した状態になっています。
出生から思春期まで卵母細胞はその数を減らし、思春期には数万個にまでその数を減らしています。
生涯でどれ位の卵子が排卵するかというと、一般的には300~400です。
思春期以降から毎月数十個の卵胞が発育し始めますが、その中のたったひとつの卵胞が発育し続け、その他の卵胞は閉鎖卵胞となり吸収されます。
10年以上休止状態にあった卵母細胞の減数分裂が終わりますと、卵娘細胞になります。染色体の数は半数になっています。
精子の場合と違い、分裂といいつつ卵娘細胞は2つにはならず1つです。
もうひとつは卵娘細胞にならず、第一極体という細胞になり、消失してしまいます。
卵娘細胞の2度目の減数分裂は排卵時に始まりますが、精子が卵子に侵入するまで休止状態となります。
休止状態が解除され減数分裂がなされると、卵子と第二極体に分裂します。